秋分の日の日曜、兄が
『サマータイムマシン・ワンスモア』を
観にきてくれた。
兄が私の出演している舞台を観たのは
はじめてだ。
そして、舞台というものを兄は人生で
はじめて観たという。
はじめて観た舞台がヨーロッパ企画だった兄は
ラッキーやな、と妹は思う。
「お兄ちゃん呼び〜や〜」
と言ってくれたのは土佐(和成)さんだった。
土佐さんには家族の話をしていた。
楽屋で会った兄の表情はこれまでに
見たことがない感じのものだった。
おばあちゃんになっても忘れないだろう。
知らない場面は私の人生に
まだまだ控えているらしい。
その夜父と、新秋刀魚を焼いて食べた。