よる[京都]
2019.01.06 Sunさあああと音が聞こえた。
夜の鴨川の音。
気ぜわしく大通を車が走っている。
明るい街灯。
私は橋の上を歩いていて、立ち止まる。
何度も、何度も、この橋を往来してきた。
30歳になってもここを歩いている。
飽きる気のしない風景。
橋から下をのぞき、
ほんとうに川の音だろうかと耳を傾けると
車の音は聞こえなくなった。
黒い川面が光っている。
私はまた歩きはじめて信号を渡る。
通と通が合流する地点ではよく事故が起こる。
「人がよくここで死ぬ」
ということばがあたまに浮かぶ。
何かがはじまりそうな出だしだが物騒だ。
夜に居着かず、うちへ帰ろう。