もりかわです。 -森川 葵 オフィシャルブログ-

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結局。 [日記]


何かを伝えたいのだけれど
なにを伝えたいのかうまくまとめられず

書いては消して
書いては消して

お湯に浸かりながらそろそろ
お湯がお湯ではなくなろうとしているので
熱い本当のお湯をそこに追加するものの
冷めた水の量と合わせると
お湯の力じゃ弱すぎて
熱湯が出るようにとひねり変える

ふうっと大きく一息吐いて足を伸ばすも
伸ばした足先にあたる熱湯があつすぎて結局
ずぼらに足の指で栓に繋がるチェーンを
ぴっ、と引っ張り抜き
ある程度水が少なくなった所で
適度な熱さのお湯を足す。

無駄な動きが今の私をちょうどよく表現してくれている。

今していることは無駄しかない。
私の身になることはなに一つとしてない

ただの無駄な時間。

こんなもんかと適度に調整したはずのお湯は
実際には私の温かくしなくては
という意識からか赤い蛇口をひねりすぎていて
思っていたよりも熱かった。

熱くしすぎたお湯のせいで冷めていた体から
もう一度汗が吹き返す
これは本当に汗なのだろうか、
それともドボドボと溢れ落ちるお湯が
水面にあたり跳ね返った水が顔について
それがただ流れていっているだけなのだろうか

それを確かめるには舐めてみるしかない
などと無駄なことを考えつつ

先程風呂に浸かりながら食べた
ストロベリーアイスの味がまだ鼻の奥の喉の上の方に残っていて
それをこんな無駄な考えに流され
飲み込まれてしまうのは
とてももったいないと思い
再度意識をそこに持っていきもうすでに
食べ終わっているストロベリーアイスの
余韻を楽しむ。

頭から頬をつたい流れ落ちてくる水は
そんな私の
熱い所に居ながらにして
凍っていた物を食べる
というその正反対にあたる事物を同時に得るといった
贅沢気分をよそに唇へと到達

口を開ける気なんてこれっぽっちもないのに
滴り落ちるその水たちは私をくすぐるかのように
落ちていき、ついむずがゆくて口を
ペロッと舐めてしまった。

左端から徐々に広がるしょっぱさ

奥へと到達させないよう舌で防いでみるものの
舌へとくっついた水はまるで菌が繁殖するように
その場から奥へと広がっていく。

私の無駄な時間と思っていたはずの
実は贅沢な時間はここで終わり。

舌に広がるしょっぱさは
甘くぬるくはない間もなく迫りくる
明日を思い出させるようじわじわと広がり続け
私をやらなくてはならないことのある
現実の時間へと引き戻す。

私の無駄という贅沢な時間は
私自身の中から溢れ出たものによって
仕留められてしまった。

無駄な私の贅沢時間は
今ここにある水の中へと消えて同化し
無かったことになっていく。

きっと明日には忘れている贅沢。

目に見えない贅沢。
さらば。贅沢。

一度流してもう一度溜めようとしていた
お湯は溜まり切るまえに栓を抜き流す事にした。

さようなら。無駄。

案外無駄に癒しをもらっているなと気付いた今日は
無駄な時間ではなかったのかもしれない。

ということは、無駄とは。

2020/01/28 (Tue) 22:33


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森川 葵

森川 葵

生年月日:1995年6月17日

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