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re- [本]
2008.02.17 Sun以前、電車内での暇つぶしにキヨスクで
「Teen Age」というアンソロジーを買いました。
人気作家が書いた10代を主人公とする
短編小説が集まっています。
その中でも島本理生さんの作品が気に入ったので
ずっと長編を読んでみたいと思っていたのでした。
ナラタージュはよく売れた本だと記憶していたので
初めて読む島本さんの長編はこれにしようと決めていました。
流行っているラーメン屋さんに行ったら
一番最初はまずそこの定番を食べてみる感じです。
どんな本が好きかは
本当に人それぞれの好みが反映されるなと。
私は友人から本を貸してもらうことがあります。
しかし難しい本でなくても文の「匂い」が合わないと感じると
ページを読み進めるのがたちまち億劫になってしまいます。
なので失礼な話、
薦められた本を読むときは舐めてかかっていきます(´ω`)
ハードルを低くしておくと
面白かったときの喜びが尋常じゃない(笑)
・・・面白くなかったとき。一応読み切りはしようとして、
返却がすごく遅くなる。かなりひどい。
私に貸した友人は大変運が悪かった。ごめんなさい。
私は本や映画の説明を人に求められてあらすじを話すとき、
うっかりオチを言ってしまうという
ダメダメなところがあります。
それだからナラタージュの解説はうまくできませんが、
読み進めていた中で頭に浮かんだことを
ぽつぽつと書くことにします。
私は島本さんの描写が、好きなのだと思う。
風景、食べているもの、心の動き。
すっとイメージできて、ぐっと胸の奥まで届いてくる。
すてきだなぁと思いました。
男性が読むとどう思うのだろう。
中学の国語の先生が
「女性作家さんの小説はあまり読みません」
「どうしてですか」
と私が尋ねると
「どうも苦手なのです」
と言っていたのが印象に残っています。
細かな理由は説明されませんでした。
きっと私が読むと感じる「匂い」と同じ、
感覚的なことでしょう。
作中登場したトップスのチョコレートケーキ。
祖母がデパートへ出掛けると
よくお土産に買ってくれたものでした。
ストーリーとは少し逸れたところで自分の思い出がよみがえり
ほんのり懐かしい気持ちになりました。
内容の予備知識は帯に書かかれていたことだけ
という状態で読み始めたナラタージュでしたが
演劇
ビクトル・エリセ
存在の耐えられない軽さ
など、触れたことのある小道具が使われているのが
私を惹き付けて憎いところでもありました。
「一気に読み切ってしまったからなんかさみしいわぁ」
と漏らす私に
「次に探す楽しみがあるからいいやないか」
あっさりと父が言葉を返す。
妙に納得したけれど
もうしばらく作品の余韻に浸りたかった私は
序章の読み返しを始めたのでした。
さがり目 [本]
2007.08.08 Wed読書感想文だけ残っちゃうの、最後に。
夏休みの宿題の話ね。
本を読むのは好きなんやけどなぁ・・・
って毎年ブーたれていた気がする。
先日のBS−iの打ち上げで、
廣木隆一監督にお会いした。
「おひさしぶりです」
と監督のいるテーブルへ挨拶に行くと、
丁度そのとき誰かがアイスキャンディーを注文していたようで
お店の人がクーラーボックスとともにやってきた。
食べていいよと言われたので
迷わずあずき味に手を出すと
「若々しくない」
と言われオレンジ味になった。
プクー。
「最近何読んでんの?」
と聞かれ
「自然人類学の本とか」
「なんで」
「いや、なんかおもしろくて」
「『きみの友だち』いいよ」
人にすすめられた本は読んだり、読まなかったりする。
読みはじめても途中でやめたりとか。
でもこれは、
なんか、妙によくて。
やけに染みる。
説教臭くないからかな。
何が染みてんのさ。
わかんない、なんだろね。
重松清さんの作品は中学生の頃に
『エイジ』や『ナイフ』を読んだことがあったけど
なんでこの人は、こどもの中の人間関係、
人との距離の取りかたとか
その微妙な感覚がわかるんだろうって
不思議だった。
読みすすめていると、小学生の頃あんなことあったな
中学生の頃こんなことあったな、と細かい出来事が
自分の中によみがえってきて、口元が緩んでしまった。
胸の奥の方まで緩んでしまったのか、涙が出てきた。
意外だ。
小説を読んで泣くことって、ほとんどないもの。
そりゃきみ、
小説を読む量が少ないんだよ、まだまだ。
と言われちゃ少し口籠もってしまうけれど。
そういうことじゃないんだよね。