京都はべったりしている。
べたっとしているのではない。
起伏のない重みが水平に伸びている。
私は幼いとき京都のべったりした時間に退屈していた。
他府県の人々を魅了する行事が年中あるじゃない。
その行事と行事の狭間にべったりは露顕するのよ。
だが、そんなふうに感じている人が
別にいるかどうかは知らない。

故郷の友だち。
入学した高校で出会いました。

私服の高校だったので入学式の装いも制服ではなく、
その子はふわりと広がる黒のミニスカートを履いていて
アイドルのように可愛い子がいるなあと思って見ていた。

私はまだ染めたことのない長い黒髪で
父に買ってもらったジャケットを羽織っていた気がする。

自分のことは曖昧でも
あのとき目に映った彼女は動く。

仕事の都合で転校してしまったけれど
大学でまた一緒になって縁が続いています。

ふたつコロンと。かわいいわあ。