おへやではあったか靴下をはくのさ。

うちが昔、料理屋だった。
学校から帰ってきて
営業前の慌ただしくない時間帯だけは、
板場をうろちょろすることが許された。

父に抱きつくと
白い前掛けから生臭い魚のにおいがした。
「臭いやろ」と言われても
そのにおいを疎ましく思ったことはなかった。



井戸水の張られたバケツの中に
鮎が泳いでいて可愛いなぁと
眺める日もあった。

しかしその数十分後
ぶすぶすと串刺しにされていく。


「うわーーん 鮎さんがーーー」
「でも食べるんやろ？」
「うん」

「投票に行かなきゃ」
じゃなくて
「投票に行きたい」

「手炒り 焙煎焙じ茶」が好きだ。
帰京した際は買いに行ってしまう。

この店に足を入れると
私の京都人モード（おもに言語）が
ういいんと起動する。

買ったらちゃっちゃと帰るのが気持ちいい。