リング・ワンダリング/金子雅和監督
2022.03.02 Wedヨーロッパ企画第40回公演『九十九龍城』が
無事に閉幕いたしました。
ご来場くださった皆さま、
誠にありがとうございました。
稽古を含めると約4ヶ月注力していた作品からはなれ
次はどんな歩みをすすめるのやら。
ほやんとした状態です。
大きな浴場に行き身体を労っています。
渋谷イメージ・フォーラムで
『リング・ワンダリング』
を観ました。公開を楽しみにしていた映画です。
縁あって京都映画企画市という企画コンペを見に行き、
たまたま金子雅和監督のプレゼンを
拝見したことがありました。
金子監督のプレゼン内容はスケールの大きさと緻密さが
両存しており、それを見て以来
どんな映画をこの世に生み出されるんだろうと
たいへん気になっていたのでした。
『リング・ワンダリング』は
いま私やあなたが立っているところ、土地の、
下へ、下へ、思いを馳せます。
下にあるものは、つまり過去なのですが
過去と今とのつながりが
なめらかに描かれていました。
その繋ぎ目のなさが美しく、映画に没入し
魅了されました。
自己の輪郭さえ溶けていくようでした。
見た翌日の午後は春到来、あまりにうららかで。
翻弄されるように渋谷駅の深い地下を
ぐるぐる歩いていますと
失っているものの大きすぎる世界の現状が
痛く胸に迫ってきます。