2016年08月20日(土)
デスバレー国立公園へ・中編 [アウトドア・旅(森里川海)]
翌朝 。
明るくなると
ようやく 自分たち が いる 場所 の 全容 が わかり始めた 。
そこは 町 というには ほど遠い …
フリーウェイ の 出口 の ところに
ガソリンスタンド と コンビニ 、
そして 私たち が 泊まったホテル … 。
3軒 だけ …
まさに それだけの 場所 だった
周り は 草 も 生えない 茶色 の 岩山 だらけで
その 崖沿い には 1本 の 線路 が 走り
貨物列車 が 絶えず 警笛 を 鳴らしながら
恐ろしく ゆっくりとした スピード で
ゴトゴト と 岩山 を 登っていくのだった
「 はぁ どおりで ね … 」
歯 を 磨きながら 部屋の外 に 出てきた オット が つぶやいた
きっと 私が そうだったように
オット も あの 警笛音 が 気になっていたに違いない
明け方 何度 あの …
「 ファンッファーン 」 に 起こされたことか …
「 うん 。 なんか でも いいとこだね 」
うがい を 終えた オット が 言った
確かに 。
青い空 と カラカラ の 大地 と そこに 響く 警笛の音 …
アメリカ大陸 に 来たんだなぁ
という 実感 が ひしひしと わき上がってくる
さぁ
日焼け止め の ため しっかり ファンデーション を 塗ったら
いざ 国立公園 を 目指して 出発 だ
私は ベッド の 上に 地図 を 広げて 最終確認 …
ワガ家 の
アメリカドライブ旅 に おける 役割分担 は 明解 である 。
オット が プランナー & ドライバー で それ以外 が 私 …
つまり ナビ も するし ホテル も とるし
もっと わかりやすく 言うと
英語 を しゃべる係 が 私 … 。
「 え〜と 今 が おそらく このへん …
まずは 引き続き この 15号線 を ラスベガス方面 へ
途中 ネバダ州 との 州境 の 手前 …
ベイカー ってとこで 一般道127号 に おりて
127 を 北上
ショーション という 町 を 目指す … と 」
昨晩 オット に 説明された 行程 の 復習 …
アメリカ の ありがたいところ は 道が 簡単 な こと 。
大都市 さえ 抜けてしまえば
存在する道 が 限られているからほぼ 間違うことはない 。
チェックアウト を して コンビニ で 水 を 買ったら
「 よし 行くか … 」
白い車 は 再び フリーウェイ の 入り口 へと 吸い込まれた
道のり は 順調 だった 。
たまに来る 分岐 の ところさえ 間違えなければ
何百キロ 走っても タダ の
素晴らしく 走りやすい フリーウェイ が
私たち を 目的地 まで 連れて行ってくれる 。
1時間半 ほど 走ると ベイカー に 到着 、
ここで フリーウェイ とは お別れだ
一般道 127号線 は
岩山 に 囲まれた 砂の大地 の 真ん中 を 走る 一本道 で
私たち以外 に 通る 車 は ほとんど ない 。
「 わぁ この道 …
貸し切り じゃん 」
こんなに 広いところ に 私たちだけ …
すごい ような こわい ような 。
アメリカ西部 特有 の
地平線まで 続く カラカラ の 茶色い 大地 の 上を
ラジオ から 流れてくる カントリーミュージック を 聞きながら
進んで行く …
ちょうど お昼になる頃
私たち は ショーション に 到着 した
アメリカ を 日本 の 感覚 で 計ってはいけない …
大陸 を 車 で 走るたび 思わされる 。
地図 に 地名 が 書いてあるのだから そこそこ の 町 かな ?
と 思っていた ショーション だが
到着 してみると これまた 道沿い に
古びたダイナー が 1軒 と 案内所 兼 土産物屋 に
あとは 家 が 2、3軒 …
「 何にも ないねぇ … 」
ここで ランチ を しようと 思っていたのだが
すっかり アテ が 外れてしまった 。
「 とりあえず ビジターセンター 入ってみる ? 」
昔 は ガソリンスタンド だった 面影 が ふんだん に 残る
三角屋根 の 建物 に 入ってみる 。
ドア を 開けると 白髪 の おばあさん が 一人だけ …
カウンター から チラリ と こちらを 見ると
「 ハロー 」 と 声を かけてきた 。
そうだ 、 このあたり の 細かい地図 を もらっておこうかな …
その 地図 を 見ながら
おばあさん に 改めて 行き方 を 教えてもらう
すぐ先 を 左折したら
デスバレー国立公園 の 南側 の ゲート までは
どうやら もう そんなには ないらしい …
「 けっこう 近いみたいだよ 」
オット に 声 を かけたが 返事 が ない 。
「 あれ ? 」
探すと 奥の 土産物の棚 の 前 で
一点 を みつめ 立ちすくんでいる 。
近づいていくと オットの視線の先 には 一冊 の 本 …
タイトル は 「 エリア51 」 … 。
その文字 を 見た瞬間
私には オット が 考えていること …
次に 発するであろう 言葉 まで …
まさに 一瞬にして わかってしまった
そして それが このあとの 予定 を
大きく変えるかもしれない … ということも 。
「 ねぇ ここから エリア51 って 近いのか
おばあさん に 聞いてよ 」
… やっぱり 。
想像どおり オット は すでに 行く気 に なっていた
好きな番組 は NHKBS 「 超常現象ファイル 」 で
エイリアン が 出てくる 映画 は 絶対 に チェックする …
そんな オット が
アメリカ最大 の 秘密基地 と 言われる
そして 墜落した UFO が 運びこまれた ? とか 言われている
エリア51 を 素通りするはずがない 。
「 お願い … 3時間 くらい かかるって 言って 」
おばあさん に 向かって 念を送りながら
私は 入り口 の ほうへ 戻る
「 アバウト ワンナワー 」
うわ 思ったより 近いな …
しかも めったに 英語を理解しないオット が
こういう時 に 限って 聞き取れていた …
「 1時間って 言ったよね ! 行こうよ 」
目的地 を 目前 にして …
寄り道 が 決まった 。
今回 目指していた 2つの国立公園 は
どちらも カリフォルニア州 に ある 。
しかし エリア51 が あるのは ネバダ州 …
左折するはずだった 道 を 横目 に
白い車 は 引き続き 東へと 進むことになった
ほどなく 「 ここから ネバダ州 」みたいな 看板 が あり
私たちは あっけなく 州 を 越える 。
「 この道 が 突き当たった ところ に
今度は 南北 に 道が 走ってて
その東側 が 通称エリア51 って 呼ばれる 基地みたい 」
地図 を 見ながら
おばあさん に された通り の 説明 を オット に する 。
言われたように 1時間 も 走ると
確かに 1本の道 に ぶつかったのだが
その角 にも 特に 何が あるわけでもなく
どちらに 曲がればいいかも よく わからなかった 。
地図によると 右折すれば ラスベガス
左折すると
デスバレー国立公園 の 東端 を 北上 することになる
「 最終的には 左折だろうから
とりあえず 右行ってみる ? 」
岩山と 砂 しか 目に入ってこない その 三差路 を 右へ …
すると 何やら 目を引く 建物が 現れた 。
「 エイリアンセンター ? 」
なんだ コレ … しかも なんちゅう 色 …
少々 引き気味 の 私 に 気づくこともなく
すでに オット は 興味津々 だった …
「 入ってみようよ 〜 何か食べる物も あるかもよ 」
そうなのだ
とにかく お腹が減っていた 。
店に入ると まず 手前 に 土産物 が わんさか と あり
一番奥 に レストラン が あった
「 エイリアンバーガー とか あるかな ? 」
しかし メニュー は 到って普通 の それ だった
チーズバーガー と スープ 、 サラダ …
食べ終えて チップ を 計算している私 に
待ちきれないオット が 子供のような声 で 言う 。
「 先に お土産 見に行ってていい ? 」
「 はいはい どうぞ〜 」
顔も上げずに 私は 答える 。
またしても ワガ家に
ヘンテコなもの が 増えそうな予感 を ぷんぷん させつつ
オット は ウキウキ と お土産 を 見に行ったのだった 。
「 なにそれ … いらないよ 〜 」
言ってもムダ なのは わかりつつ 妻としては ささやかな抗議 …
このやりとりが 何度か 繰り返されたのち
結局
友達の子供たち への お土産 も 含めてだが
7千円ぐらい の エイリアングッズ が
オット の 部屋 に 仲間入りすることになった
「 ほら もう 行こうよ 」
なんとか 今日中 に デスバレー国立公園 に たどり着きたい …
目の前 の 道 を 北上 して
公園の北側 の ゲート近く の 町 、
ビーティ を 目指すことにした 。
結局 エリア51 は どこにあるのか …
「 きっと この山 の 向こう とか なのかなぁ 」
まるで わからなかった
この 寄り道 を すっかり 楽しんだ オット と
この 寄り道 は 本当に 必要だったのか
イマイチ 納得のいかない 私 とを 乗せた 白い車 は
その後 も ひたすら 走り続け
午後3時半すぎ ビーティ に 到着した 。
ここまでの距離 と 今の時間 を 考えると
今日 は この町 に 泊まるのが 得策 に 思えた 。
今までよりは 少し 大きな町 だが
ざっと 見たところ ホテル は 3、4軒
早いうちに 宿 を 押さえてしまうほうが 安心だった
中でも 一番 雰囲気のよさそうな
比較的 大きめのホテル を 狙う
幸い にも 部屋 は 空いていて
しかも オットこだわり の 1階の部屋 を ゲット できた 。
傷だらけ の スーツケース を 運びいれ
ホッと 一息 …
「 今日 は 早めに 夕飯食べて
早めに 休もう 」
明るいうちに 近くに みつけてあった
日本でも おなじみ デニーズ へ 向かう
アメリカ に 着いて 2日目 …
最初 の 目的地 は ようやく
すぐそばまで せまっていた
Posted by 富永美樹 at 18時00分 パーマリンク
2016年08月18日(木)
デスバレー国立公園へ・前編 [アウトドア・旅(森里川海)]
5月 の ある日 。
仕事 を 終えた オット と 私 は
タクシー で 羽田空港 に 向かっていた 。
いつもなら 空港までは 自分たち の 車 だが
今回ばかり は 仕方がない 。
日 が 変わった 午前0時10分 の 羽田発 ロサンゼルス行き
しかし 帰り は ロス からの 成田便 …
急に 休み を もらえることになり
あわてて エアライン に 電話して
取れたのが この フライト だった 。
それでも 前回 の アラスカ 「 デナリ国立公園 」 以来
4年ぶり の アメリカ 国立公園めぐり …
「 ようやく 行けるね 〜 」
空港 に 到着した 私たち は 目 を 合わせた 。
あわてて パッキングした 傷だらけ の スーツケース を
少しだけ 恥ずかしく 思いながら
チェックイン を するため カウンターへと 向かう …
しかし ここで 少々 問題 が 発生する 。
「 ESTA の 申請 は お済みですか ? 」
… エスタ 。
なんだっけ ?
あぁ アメリカ 行くのに 必要なやつ …
ヤバイ まっっったく 忘れてた
「 いえ してないです … 」
どうすんだろ こういう時 って…
「 では フライトまで お時間 ありますので
パソコン か スマートフォン で 申請して下さい 」
え … 今から ?
でも それが ないと チェックイン できないのだと言う
そりゃ そうだよね 決まり だもの
ていうか あんなに 何度も 行ってるのに
ESTA を 忘れるなんて あたしの バカバカ … 。
こういう時 オット が 一切 頼りにならないこと は
結婚して 18年 私が 一番 よく 知っている 。
そう ワガ家 では パソコン・スマホ は 妻 の 担当 …
とりあえず カウンター の はじっこ の 方に 移動して
ESTA の ホームページ を 開いた 。
「 え … 」
質問 何個 あんねん !
関西人 で なくとも 関西弁 で ツッコミたくなるほどの
Q&A の オンパレード …
「 こ … こんなに あるんですか 」
つい 低い声 で カウンター の お姉さん に 聞いてしまう 。
「 最近 変わったようでして … 」
だよね
何年か前 申請したとき は こんなに ギョッと しなかったもの …
これを 2人分 …
フライト に 間に合うだろうか
口には 出さないものの 不安 が よぎる
こういう時 は まず 集中できる環境作り が 何より大切だ
「 ねぇ まだ ? 」
などという オットから の 横やり に イラッ と することなど
絶対 に あってはならない …
申請 が 間に合わなければ チェックイン させてもらえない
それは すなわち
ここ 羽田空港 から 家 に 戻ること を 意味する …
プレッシャー で こわばった顔 を 作り笑い に 変えて
私は オット の 方 に 振り向いた
「 ねぇ
ちょっと 時間かかりそうだから 本屋さん でも 行ってて 」
オット は 旅先 で 読書 を するので
空港 で よく 本屋 に行く 。
お願い …
今は 何も言わず ほっといて …
しかし
のんびりや の オット も さすがに 何か を 感じたのだろう …
「 いや 大丈夫 。 ここで いい 」
じゃ 黙っててね
表情 で そう 伝えると 私は スマホ の 画面 を にらみつけた
「 あ ! いけました ! 」
カウンター内 の パソコン画面 を みつめていた お姉さん が
ひときわ 高い声 を あげる 。
どのくらい スマホ と 格闘 していたのだろう
ふと 横 を 見ると
リュック を しょって 立ったまま 読書 を している …
オット が いた 。
「 いけたよ 。 乗れるよ … 」
仕事 して パッキング して ようやく 空港 着いたら これか
なかなか な 1日 だったな …
ようやく 乗りこんだ 機内 での 記憶 は
ほぼ ない …
ロサンゼルス国際空港 に 到着後
まず 向かう のは レンタカー の オフィス だ 。
いつもと同じように 日本 で 予約 しているのだが
いつもと同じように 現地 で 吹っ掛けられる …
「 この 保険 も あったほうが … 」
「 この 車 に グレードアップ できるよ 」
いらない って 言っても
もう 断然 、 向こうのが 押し が 強い 。
多分
断れなさそうな 気弱 な 日本人カップル に
見えているんだろうな …
結果 断れない から その通り なんだけど 。
それでも なんとか 車種 の アップグレード は 阻止 し
保険 は 仕方なく より 高いもの に 入る …
プラス 200数十ドル か
いつか ハッキリ 「 NO ! 」
と 言える 人間 に なりたい
アメリカ の 空港 の レンタカー の カウンター で 思うこと は
いつも 同じ だ … 。
まぁ いいや
ここから 先 は 何の 予定 も ない
決めているのは 2つの 国立公園 に 行きたい
それだけ
傷だらけ の スーツケース と リュック 2つ を 車に積んで
白い レンタカー は
夕方 の ロス の 街へと 走り出した … 。
地図 を 手に
目指す は ロス から 北東 の 方向 …
途中 フリーウェイ沿い の ほどよきところ で
いつものように 一晩 過ごす ことにしよう 。
アメリカ の ありがたい ところ は
高速道路 が 無料 な こと と
走って走って 疲れたら すぐ 泊まれる ホテル が
フリーウェイ沿い に たくさん あること …
ほどなくして 助手席 の 窓 に
ロサンゼルス の 夜景 が 飛び込んできた 。
「 明るいな 〜 」
しかし ものの 10分 も 走ると
あっという間 に あたり は 暗がり だ 。
ロサンゼルス の 街 を 背 に まずは 東 を 目指し
15号線 に ぶつかったら 北 へ … 。
2時間半 ほど 走ったところで
「 そろそろ 泊まるところ探そうか … 」
運転 に 疲れた オット が つぶやいた 。
フリーウェイ沿い に みつけた 馴染み の チェーン の ホテル 。
始まったばかり の 夫婦旅 …
最初 の 宿 は
カリフォルニア の どこか の 真っ暗 で 小さな町 …
「 部屋 空いてますか ? 」
いよいよ 私たち の
行き当たりばったり旅 が 始まったのだった … 。
( てなわけで
アメリカ旅行記 … 始まりました (笑)
お盆 に 夜更かし して 小説 読んでたから
「 小説風 … 」 に なっちゃってますが … (^-^;
しばらく
お付き合いして もらえるかな 〜 ? (^-^)/ )
Posted by 富永美樹 at 22時54分 パーマリンク
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